日本の読者の皆様、こんにちは。

台湾からの日本文化探求雑誌「秋刀魚」です。秋刀魚第6号スペシャルに、私たちは台湾のグルメ10品と日本梅酒10本を厳選し、梅酒に興味を持つ台湾と日本の方々を誘い、鶏排(ジーパイ)、熱炒(ルーチャオ)から、お菓子まで紹介してもらいました。どこでもある台湾料理と日本梅酒を組み合わせ、新しい刺激を感じられ、ほろ酔い気分で歳月を重ねた梅酒を味わいましょう。以下はまとめた日本語バージョンの内容で、気に入れば嬉しいです。

本当にありがとうございました。


鶏排(ジーパイ)x花札の梅酒

SSI台湾の日本酒唎酒師 陳麥可

八木酒造が作った花札の梅酒は自家製の米焼酎に西吉野で獲れた新鮮な青梅をたっぷり漬け込み、砂糖が少し控えめで、自然と酸味が際立ち、スッキリとした爽快感溢れる梅酒である。揚げ物に合う焼酎に青梅を加えるというのは、台湾での鶏排と梅の緑茶を組み合わせのコンセプトに似ている。日本の唐揚げに代わりに、台湾の鶏排と梅酒を味わってみる。花札の梅酒を飲むと、さっぱりした芳醇な香りがした。鶏排が鹹味と脂身があるが、五味の酸味と甘味が欠けるので、日本梅酒を飲むのは他の味覚を補足し、楽しむバランスができた。


蚵仔煎(オアチェン)x大入りにごり梅酒濁濁

監督、居酒屋オーナー 北村豐晴

芳醇で甘すぎない味で、梅果肉の含有量が半分近くの約45%と、従来では考えられないにごり梅酒である。とろとろの蚵仔煎とにごり梅酒はベストパートナーであり、トッピングされた甘辛ソースは梅によく合う。台湾で18年を経て、初めてこんな組み合わせを味わったが、意外と違和感がないのを発見し、台湾料理とジュースというコンセプトみたいで、素晴らしいと思う。大きくて新鮮な牡蠣、少し甘いソースがある蚵仔煎と果肉感たっぷりのにごり梅酒はお互いをサポートし、一段と旨味が増す。


サバヒー粥x南部美人ノンシュガースパークリング梅酒

TIL space 創業者 高橋佳、奧西克彥

梅酒が「梅+お酒+砂糖」という認識を打ち破り、斬新でオリジナリティーあふれる糖類無添加の梅酒は岩手県二戶市の湧水で仕込み、当地の梅を使い作り出した純米日本酒である。糖類を一切加えないので、ワインみたいで、甘い梅酒が苦手な男性は好きになれる。海鮮との相性は非常に良い、サバヒーの味をじゃましない。初めてスパークリング梅酒を味わったが、さっぱりした食感で、飲みやすいので、酔いやすいと思う。台南人は朝ごはんとしてサバヒー粥が好きなので、朝から梅酒を飲んだら、やっぱり仕事ができないかな(笑)。


燻製ガチョウ肉xプレミアムジンジャー生姜&かぼす

生活旅行作者 IRene

浪乃音酒造は生姜の辛味とかぼすの酸味を組み合わせ、絶妙な味がある梅酒を作った。生姜を丹念に煮詰め、ひと鍋で小瓶5本しか出来ないので、このお酒は珍しい存在である。お酒の香り、燻製ガチョウ肉の生姜の千切り、甘いソースが良い組み合わせになり、酸味と甘味ととろとろ感をバランスさせる。また、ガチョウ肉の鹹味を加え、全ての味が楽しめ、味わうと、とまれないと思う。


魯肉飯(ルーローハン)x北島塩うめ

料理家 小林敦子

風味豊かな梅酒と豊富なミネラスを含む塩を引き立たせ、究極のバランスを探し求めている。思わず口がすぼむ刺激的な酸味と舌先に残る微かな塩味は、魯肉飯によく合う漬物、梅干し、紫蘇干しを思い出させる。魯肉飯の「魯肉」と日本の「肉じゃが」の肉はほぼ同じだと思われ、香ばしく大人な風味を持つ塩うめは肉の脂の感じも消せ、魯肉飯の味もアップできる。


炸蝦捲x浪乃音かぼす搾り

你好我好 創業者 青木由香

かぼす酒とは、滋賀県の米で作られた酒とかぼすで作ったものであり、その味はかぼす独特の苦味を持ち、柑橘系の酸味が焼き物と揚げ物によく合う。そして、かぼすの果実を甘く感じられ、海鮮との相性が良く、鍋料理にも非常に合う。甘口で素材の特徴が出ているので、食前酒や食後酒として飲むのに適している。かぼすの薫りが炸蝦捲の油分と調和し、とろとろのソースのような食感となる。


台湾熱炒(ルーチャオ)x純米大吟醸梅酒 三重大学

SSI台湾の日本酒唎酒師 陳宜君

三重大学の付属農場で育成された弓形穂で醸した大吟醸酒に三重県産南高梅の青梅3:完熟梅7の配合で仕込んだ梅酒である。熱炒と組み合わせると、酒により海鮮炒めの甘味と食感が増す。純米大吟醸梅酒は酸度が低いが、甘口であり、氷を入れなくても、上品で高い香りの余韻を味わえる。また、醸造アルコールを添加しないので、味の変化が豊かなと思われる。セ氏5度から8度までで飲むと、温度が徐々に上がった酒の変化を感じられる。


酸菜白肉鍋x寒紅梅純米吟醸梅酒

飲食と旅の作家 葉怡蘭

最高級の大粒完熟梅のヘタをひとつひとつ手作業で取り除き洗浄し、伝統的な仕込みで醸した「吟釀酒」にたっぷりと漬け込む。完熟梅が持つ自然の甘い香りと吟釀酒が持つ柔らかな甘味を存分に表現する為に氷砂糖は極力控えめである。さっぱり味の酸菜白肉鍋と相性の良い淡い米の香りはアジア人が持つ同じ味の記憶であり、食事前からデザートの時間まで絶妙な味わいを堪能できる。台湾人は鍋が大好きなので、中国の酸菜白肉鍋を台湾式の鍋に変えてくる。甘すぎない梅酒は鍋の風味と調和する、もっと濃い味が好きなら、酸度が強い梅酒を味わってみよう。


車輪餅(台湾式の今川焼き)x小鼓泡梅

パティシエ Shugo

こだわりの梅を小鼓の美味しいお酒で漬け、コクと旨みと香りをたくさん引き出す。そして低アルコールで、度数が5パーセントなのにシュワシュワと爽やかな、シャンパンのような美味しい梅酒は酸味を持つので、台湾のB級グルメ車輪餅に合う。特に「菜圃」と「蘿蔔絲」という鹹味の車輪餅との相性が良い!


台湾フルーツx唐草まっこり~泡~

企画職 黃雅雯

マッコリとは「米、水、こうじ」というシンプルな原材料でつき詰め、本当に美味しいお酒であり、乳酸菌により腸内と美容に良い影響を与える。栄養を持つ乳白の酒と優しい味なので、近年日本では人気がありよく売れている。初めて梅酒とフルーツを一緒に味わい、予想外にさっぱりした組み合わせになった。台南人がずっと食べている台湾フルーツを組み合わせる。


Text=陳 頤華/Photo=莊 柏林、林 子皓、蔡 昀儒/Translate=趙 卉加

(詳しくは「秋刀魚」第六号スベシャル「ごちそうさま!日本梅酒X台湾料理」を見てください)